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入学を祝して 学長から新入生の皆様へ

執筆者の写真: 中央大学新聞中央大学新聞

学長   河合 久   
学長   河合 久   

新入生の皆さん、ご入学おめでとうございます。


この春、中央大学に学び舎、研究の場を求めて入学される皆さんを、教職員一同、心から歓迎し、これまでに重ねられた努力を称え、本学への入学を心よりお祝い申し上げます。これから過ごす中央大学での日々が、皆さんの輝かしい未来の礎となるよう、授業や行事の実施、留学やサークル、ボランティア活動等、様々なことに挑戦できる機会を充分に提供したいと考えておりますので、是非とも有意義な時間を過ごしていただきたいと思います。また、新入生のご父母・ご家族の皆さまには、日頃より、ご子女に対して、惜しみない愛情とご理解を寄せておられますことに敬意を表しますと共に、入学をお迎えになりましたことを、心からお慶び申し上げます。ご子女が中央大学に入学されたこの機会に、ご父母、ご家族の皆さまにおかれましても、父母連絡会その他、豊富なヒューマン・リレーション・ネットワークにご参加いただき、さまざまな機会に中央大学の理念と学風を共有していただくなかで、ご支援賜れば幸甚に存じます。


中央大学は、「實地應用ノ素ヲ養フ」との建学の精神のもとに、140年に及ぶ歴史と、白門を象徴とする伝統と実績を築き、この精神は8つの学部、8つの大学院研究科、2つの専門職大学院、9つの研究所を擁する総合大学となった今日、多様な学問研究と幅広い実践的な教育を通して「行動する知性。」を育むというユニバーシティメッセージとして受け継がれています。この「行動する知性。」は、中央大学で学ぶ皆さんに、学んだことを行動に結び付け、社会のために応用する力を備えて頂きたい、という教育観にほかなりません。学問は常に時代とともにあり、社会の変化に適合するよう進化します。したがって、現在身に着けている知識も実社会の様相の変化に応じて修正される必要があって、それを知性のレベルに引き上げるためには、さまざまな実体験や人との交流の中で培われるコミュニケーション力や議論する力、的確な判断力、そして弛まず学び続ける力の涵養を伴うということを知って頂きたいと思います。


いま世界は度重なる自然災害、紛争の脅威などに見舞われ、私たちを取り巻く経済社会情勢は激しい変動の中にあり、ますます不透明感を増しています。しかし、私たち人類は、いつの時代にも訪れるそうした混沌ともいえる情勢を克服してきたことも事実です。何故なら、人類には情勢を的確に把握し、分析し、理想的な解決策を模索しようとする姿勢と知性が備わっているからです。大切なことは、この姿勢や知性を意識して行動に結びつけることであり、その際、異なる文化や歴史を有する国や地域に生きる多様な人々が共通して理解している、あるいは、パラダイムとして認識している人間像や社会像を視野に入れることでしょう。ここに、まずは学問を進める意義があり、大学の役割があるのです。大学での学びが深まるにつれて、皆さんの中に知識を納める引出しが増えていくでしょう。それらの引出しにどのような知識を納めるのか、ということは当然に重要ですが、知識を行動に結び付けるために、もっと大切なことは、その時に必要な正しい知識や情報を適切な引出しから取り出し、組み合わせる力であり、それこそが頭脳だと思っています。


折しも、この時期に入学された皆さんは、アフターコロナに伴うニューノーマルが提唱される中において、新しい時代を拓く世代であり、著しい変化を遂げる未来社会が予想される中で、自らの人生を築く世代でもあります。持続可能な社会基盤の構築にとって、これからの大学には、ますます、学問領域を複眼的にとらえ、多分野の融合を軸とする学際的研究教育の拡充、とくに自然科学系分野における科学技術と、人文社会科学分野における人間行動・社会行動との相互関係性に眼目を置いた文理融合型の研究教育が求められます。日本政府や産業界も、より高度な学識とスキルを有する人材を求めるようになりました。大手民間企業、公務員、高校教員などでは大学院出身者を多く採用する動きを見せています。大学での学びの期間を4年間に限定せず、大学院への進学をその先の進路の一つに加えて、さらに修士課程2年間、博士課程3年間を、皆さんの50年、60年と続く長い人生の中で、高度な知性を社会のために発揮する基礎力と応用力を身につける期間と位置づけることも視野に入れてはいかがでしょうか。


本学は、Society5.0と言われるこの時代に活躍できる、知性と行動力を備えた人材の育成という観点から、学部教育と大学院教育を通じて、グローバルな学問分野を横断する教育プログラムを開発し続けると共に、外国大学や国際機関との連携をこれまで以上に重視します。皆さんにおかれましても、国際社会の中で、差別のない寛容な心を大切にし、常に世界の人々と共に学び、相互に成長しながら、知性を社会に応用する力を養ってほしいと願っています。そこに、常識と思われていたパラダイムの転換を生む糸口が見つかるかもしれません。今ご自身の胸に秘めた挑戦しようとする志を貫徹するために、一歩ずつ前に進んでください。その過程で、これから在学中に巡り会う人間関係やさまざまな機会を大切にし、中央大学における実りある学生生活を元気に送られることを期待いたします。

 
 
 

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